ゼレンスキー氏の演説時の表情から読み取れる真意とは AI分析してみた―[清水建二の微表情学]― ◆ゼレンスキー大統領の演説時の表情から読み取れるものは?こんにちは。微表情研究家の清水建二です。3月24日に日本の国会にてゼレンスキー大統領のオンライン演説が行われました。演
写真拡大 ―[清水建二の微表情学]― ◆ゼレンスキー大統領の演説時の表情から読み取れるものは? こんにちは。 微表情研究家の清水建二です。 3月24日に日本の国会にてゼレンスキー大統領のオンライン演説が行われました。 演説後、様々な識者や専門家によって批評・分析がなされ、概ね「日本が体験した(している)難局に関わる象徴的なワードが散りばめられ、ウクライナに対する共感が自然に呼び起こされるような演説であった」との評価がなされているように思います。 加えて、事前に予想・懸念されていた、日本に対する直接的な(ドイツでの演説で行われたような)批判や、直接的な軍事支援要請(アメリカでの演説で行われたような)はなく、日本人の気質や立場を汲んだ間接的で穏健な演説であったように思います。 目下、演説における言語上のレトリックに注目が集まっていますが、ゼレンスキー大統領の非言語は何を語っていたでしょうか。 本稿では、ゼレンスキー大統領の表情に注目して、メッセージに込められた感情を分析したいと思います。 分析対象の動画はこちらです。 <ゼレンスキー大統領 国会で演説>(2022年3月24日アクセス)YouTube ◆分析には23種類の表情筋を認識可能なAIを使用 こちらの約12分間の演説を、感情認識AIにかけ分析しました。 分析に使用した感情認識AIは、23種類の表情筋の動きから、10種類の感情(幸福・軽蔑・嫌悪・怒り・悲しみ・恐怖・驚き・混乱・センチメンタル・中立)及び2種類の特殊指標(肯定的表情・否定的表情/表情の豊かさ)を推測することが出来るソフトウェアです。 表情の動きから感情の閾値が50(閾値は0~100までの値をとり、30を超えれば、その感情がある可能性が高いとされています。 しかし、ここではメッセージに込められた強い感情を分析したいため50としました)を超えた部分のメッセージに焦点を当てます。 すると、メッセージにどのような感情が重みづけられているかを考察することが出来ます(私たちは自身にとって重要だと感じる出来事に感情を抱きます。 つまり、発信者のメッセージを感情とセットで受けとることで、メッセージの中で発信者が相対的に重視していることがわかるのです)。 AI分析及び考察の結果、ゼレンスキー大統領は、 ①戦後の復興に懸念を抱いている というメッセージを演説に強く込めていたと推測します。 以降で、それぞれを説明します。 ◆怒りや悲しみとともに、日本への深い共感の念も ①「戦後の復興に懸念を抱いている」について。 「ウクライナの原子炉が危険な状態にあり、工業施設の多くが被害を受け、環境に対するリスクになっている」と発言しているとき、大統領の表情には、悲しみ、怒りの順で感情が強く生じています。 悲しみは、大切な人・モノを失うときや助けを求めているときに生じる感情です。 怒りは、目的を阻む障害を取り除こうとする感情です。 大統領のメッセージを感情と共に読み解くと「原子炉や工業施設の被害が止まらないことに憤りを抱き、引き続き大切な人・モノを失う可能性があることから、戦後の復興の困難さを強く懸念している」と推測します。 ②「化学兵器・核兵器による攻撃の可能性を不安視しており、世界中で問題を共有したい」について。
②化学兵器・核兵器による攻撃の可能性を不安視しており、世界中で問題を共有したい
③文化を通じて、日本とこれからも価値観を共有したい
また、核兵器が使用された場合、世界はどうなってしまうのか。
将来への自信、確信は誰にも、どこにもないはずです」と発言しているとき、大統領の表情には、怒り、悲しみの順で感情が強く生じています。
メッセージを感情と共に読み解くと「化学兵器や核兵器をちらつかせるロシアに怒りを抱くと共に、非人道的な兵器の使用が世界の均衡のあり方を変えてしまう現実的な事態を自分事として考えてほしい」と推測します。
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